Amazonのカート取得率とは?確認方法と、実データで見る上げ方

Amazonで同じ商品を複数のセラーが販売しているとき、商品ページの「カートに入れる」ボタンから購入されるのは、原則として1人のセラーだけです。この枠を獲得している割合がカート取得率(カートボックス獲得率)で、売上に直結する重要な指標です。
この記事では、カート取得率の見方と上げるためのポイントを整理します。あわせて、マカド!をご利用中のアカウントで観測したカート取得の実データを公開します。「自分の数字は高いのか低いのか」「なぜ取れないのか」を、感覚ではなく実数で確認できます。
カートボックスとは
カートボックスは、商品ページの購入ボタンに紐づくセラーの枠です。多くの購入者はカートボックスのセラーからそのまま購入するため、ここを取れているかどうかで売上が大きく変わります。カートは一定の条件をもとにAmazonが自動で割り当て、時間帯やセラーの状態によって入れ替わります。
実データ:カート取得率は中央値33.3%だった
まず「どのくらいなら普通なのか」の目安です。マカド!をご利用中で、新品を30SKU以上出品している336アカウントについて、いまカートを取れている出品の割合を集計しました。
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 中央値 | 33.3% |
| 平均 | 36.2% |
| 下位25%の人 | 18.0%以下 |
| 上位25%の人 | 50.1%以上 |
分布は次のようになっています。
| カート取得率 | 人数 |
|---|---|
| 10%未満 | 49人 |
| 10〜20% | 44人 |
| 20〜30% | 56人 |
| 30〜40% | 43人 |
| 40〜50% | 59人 |
| 50〜70% | 51人 |
| 70%以上 | 34人 |
50%を超えているのは84人(25%)です。半分以上の出品でカートを取れていれば、上位4分の1に入っていることになります。
なおFBAと自己発送で、アカウント単位の中央値はほとんど変わりませんでした(FBA 33.3%/自己発送 32.6%)。出品単位で見るとFBAのほうが高く出ますが、これはFBAを使っている方の出品数が少ないためで、アカウントごとに見ると差は小さくなります。
実データ:カートを落とした76.6%は、価格で負けていない
ここからが本題です。カートを取れなくなった瞬間の記録を集めて、そのときの自分の価格とカート価格を比べました。2026年9月20日から24日までの4日分、19万3,566件です。価格はポイントを含めない表示価格(商品代金+送料)どうしで比べています。
| カートを落とした瞬間の価格差 | 割合 |
|---|---|
| 自分のほうが安かった | 18.3% |
| カート価格と同額だった | 58.3% |
| 自分のほうが高かった | 23.4% |
76.6%は「カート価格と同額か、自分のほうが安い」状態でカートを失っています。価格で負けてカートを落としたケースは、2割強にとどまりました。
3台のサーバーそれぞれで別々に集計しても、72.6%〜80.7%の範囲に収まりました。偶然ではありません。
カートは「奪い合い」ではなく「持ち回り」になっている
同じ価格の出品者が並ぶと、Amazonはカートを一定時間ごとに入れ替えます。実際、2026年8月の1か月間にカートの持ち主が100回以上入れ替わった商品が4,066件ありました。平均すると1商品あたり月310回、1日およそ10回入れ替わっている計算です。
つまり同額に並べた時点で、カートは0%か100%かではなく「何割か」を分け合う状態になります。カート取得率の中央値が33.3%というのは、そういう仕組みの結果でもあります。
この数字が意味していること
「カートが取れないから、もう1円下げる」は多くの場合ハズレの対処です。データ上、落とした瞬間の8割は既に同額か格安の状態です。そこからさらに下げても、価格以外の要因は変わりません。変わるのは利益だけです。
下げる前に、次を確認してください。
- 在庫が切れていないか…在庫ゼロではカートは取れません
- リードタイム(出荷までの日数)が伸びていないか…自己発送では特に効きます
- アカウントの指標が悪化していないか…注文不良率・出荷遅延率など
- 送料込みの総額で比べているか…本体価格だけ見ていると比較を間違えます
- そもそも同額で持ち回りになっていないか…この場合は待つのが正解です
カート取得率を上げる4つのポイント
1. 価格競争力を保つ(ただし下げすぎない)
カート獲得で大きな比重を占めるのが価格です。極端に高い価格ではカートを取りにくくなります。とはいえ、やみくもに値下げすると利益が削られるため、下限価格を決めたうえで、カート価格に追従するのが現実的です。
上のデータのとおり、落とした瞬間の8割は既に同額以下です。「追いつくまで下げる」ことには意味がありますが、「追いついた後さらに下げる」ことには効果がありません。下限価格の決め方はせどりの損益分岐点を計算する方法とAmazonの出品価格の下限とはをご覧ください。
2. 出荷実績・配送スピード
FBAを利用している出品は、配送スピードや信頼性の面で有利になりやすい傾向があります。自己発送の場合も、リードタイムを短く保ち、遅延なく出荷することがカート獲得に効いてきます。
ただし前述のとおり、同額の場面ではFBAと自己発送で勝率にほとんど差がありませんでした。FBAにすれば取れる、という単純な話ではありません。
3. 在庫を切らさない
在庫がなければカートは取れません。売れ筋商品ほど在庫切れの機会損失が大きいため、在庫数の管理と補充のタイミングが重要です。
4. アカウントの健全性
注文不良率やキャンセル率などのアカウント指標が悪化すると、カート獲得に不利になります。良好なアカウント状態を保つことが土台になります。
「カートを逃している商品」を見つけて対策する
カート取得率を改善する第一歩は、いまカートを逃している商品を特定することです。マカド!では、価格改定の画面でカートを取れていない商品を絞り込めます。
そのうえで、上のデータを踏まえた確認の順番は次のとおりです。
- 自分の価格がカート価格より高いかどうかを見る(送料込みの総額で)
- 高ければ、下限価格の範囲内で追従させる
- 同額か自分のほうが安いなら、値下げはしない。在庫・リードタイム・アカウント指標を確認する
価格改定のやり方そのものはAmazonの価格改定のやり方にまとめています。
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※本記事の数値は、マカド!をご利用中のアカウントで観測した実データです(取得率は2026年9月1日時点、価格差は2026年8月の1か月間)。Amazon全体の統計ではありません。また、ここでいうカート取得率は出品単位のスナップショット(いま何%の出品でカートを取れているか)であり、Amazonのビジネスレポートに表示されるセッション加重の数値とは定義が異なります。集計対象は新品の出品です。

